青く輝く月の下で ~Under the shining B.L.U.E. moon~

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CODE GEASS LOSTCOLORS [手をとりあって] インターミッション 【セシル】part2



CODE GEASS LOSTCOLORS [手をとりあって] インターミッション 【セシル】part2です

前話はこちら
CODE GEASS LOSTCOLORS [手をとりあって] インターミッション 【セシル】part1





───10,Jul,2018 新大陸・エドワーズ空軍基地

新型ナイトメアフレーム「ヴィンセント」の運用試験10日目。オペレーションルームは想定外の事態に騒然としていた。
「セクション10Eから18Cまでのカメラは反応なし! 状況のモニター出来ません!」
「レスキュー部隊のヘリは折からの砂嵐によって進発の許可が下りないとのことです!」
「砂嵐は向こう30分はおさまらないだろうとの気象局からの回答がきました!」
「電磁波の異常、収まりません! コンタクト接続──不能!」
「チェイサー各機からの応答、未だ無し! アルファ1──クルルギ機からの応答もありません!」
わたしは思わず口元のインカムに爪を立ててしまっていた。想定外……そう、この事態は想定外のことだ。しかし、それは言い訳に他ならない。
これは想定外です、だなんて口走ることは、要するに自分達が緊急事態の可能性を見落としていた思慮の足りない人間であると触れ回るようなことなのだから……!
「チェイサー各機とアルファ1へのコールは続けてください。それと基地所属のナイトメア部隊にレスキュー要請は出来ませんか?」
「司令本部を通して要請は伝わっているはずですが、返答はありません」
「出動要請、繰り返しお願いします」
了解っと答えてカーライル兵長は再び端末に向き直り、コールを始めた。
どうすればいい。
こちらから助けにいければいい。しかしその手段がない。
無事だとの連絡があればいい。しかし、彼らにもその手段がないのかもしれない。
事故発生からすでに20分が過ぎようとしている。
もし、
もしも、彼らが──スザク君がなんらかの大きなケガを負ってしまい、動くことさえままならない状態であったら……この20分という時間は絶望的なものになってしまう。
こんな時に限ってロイドさんはいない。
どうしたらいいの。
わたしは一体、どうしたらいいの──!!


CODE GEASS LOSTCOLORS [手をとりあって] インターミッション 【セシル】part2


───8,Jul,2018 新大陸・エドワーズ空軍基地

「特派のクルルギ少佐はこちらと聞いたのだが」
運用試験8日目を終えて、遅い食事に取り掛かっていた私たちは快活な声の青年士官を迎えることになった。
「枢木スザクは自分でありますが」
フォークを置いて立ち上がろうとするスザク君を青年士官は手を振ってその必要がないことを示す。
「食事中に済まない。いや、先ほど到着したばかりでね……それは理由にならないか。ま、それほど貴官に早く会いたかったと理解してもらいたい」
「自分にでありますか?」
年の頃は20代後半だろう。まだ30には届いてないように思う。襟元の階級章は……驚いたことに大佐だ。20代そこそこで士官というのも驚きなのに大佐とはまた凄いエリートさんだこと……そう思った時、横からすっとんきょうな声があがった。
「ひっさしぶりだねぇ~、元気してたか~い」
「しばらくですアスプルンド伯爵。伯もご壮健でなによりです」
ご存知の方なんですか、と肘で突付いて聞いてみる。
おや知らないのかい、と返ってきた。
ロイドさんは椅子を蹴って立ち上がると、その青年士官の肩を抱いて私たちへと向き直り、
「紹介するよ~。彼はエドワード・ウッド・イェーガー大佐。僕の遠縁なんだけどご覧の通り軍人でねぇ~。今はワンちゃんのとこで面倒を見てもらっているのさぁ~」
どうぞよろしく、とイェーガー大佐はさわやかに敬礼をとられた。
「あ、私は特別派遣嚮導技術部所属、セシル・クルーミー大尉です。こちらこそよろしくお願いします」
「特別派遣嚮導技術部所属スザク・クルルギ少佐であります。大佐殿は自分をご存知のようですが……」
慌てて立ち上がり、答礼をとる私たちにイェーガー大佐はにこやかに笑う。
「二人とも楽にしていただこう。食事中だったのにね……クルルギ少佐、隣の席はよろしいだろうか?」
ハイッとスザク君はぴんっと背筋を伸ばすや否や、隣の椅子をパッと引く。イェーガー大佐は「ありがとう」とそのまま席に座った。
ここは士官用の食堂だ。わざわざ呼ばなくてもすぐに給仕がやってきて世話をとってくれる。椅子だってすぐ後ろに控えていた給仕に任せればよかったのにと思わずにいられない。
そのスザク君の行いを自然に受け止めている様子を見れば、イェーガー大佐がそれなりに“世話を受けること”に慣れた貴族出身だということはわかる。まぁ、ロイドさんの遠縁ということなら良家の出であろうことはいわずもがなのことだけど。
「君の事はよく伯から聞いていてね。ぜひ直に会って話をしたいと思っていたんだ」
「自分の話をでありますか」
「あぁ、全軍で初となる第七世代ナイトメアを自分の手足の様に使いこなすパイロットと聞いてね。どんな猛者かと思っていた」
やってきた給仕に若き大佐殿は軽食とコーヒーを頼んだ。頼む言葉も適当なものであり、頼んだ後は一顧だにしない。視線はスザク君に釘付けだ。
その態度はいかに彼ががスザク君に興味津々であるかを雄弁に物語っている。
おやおや、と呆れずにはいられない。
容姿も声も年齢も、あとは……階級? 色々な意味で何もかも違うというのに、この大佐さんはロイドさんにそっくりじゃないですか。
興味あるものに出くわした時の周りが見えなくなっているロイドさんと、今スザク君を目の前にしたこの大佐さんの様子はそのまんま一緒のように見えて、私は思わず噴き出しそうになった。
そんな私の様子に大佐さんは気付いた様子はなく、相変わらず彼の視線はスザク君に釘付けのままだ。
「……なるほど、あのアクロバティックなマニューバには君の学んだコブジュツという下地があってこそのものだったのだね」
「乗り手としてはそうです。しかし一番にはセシルさん……いえ、クルーミー大尉が手がけた特別なジャイロセンサの存在が不可欠であると考えます」
「ほう、それは従来式のジャイロスコープとは違う物なのだね?」
「肯定であります。ランスロットに搭載されている光学式ジャイロセンサは従来の機械式ジャイロスコープとは違って……」
私はテーブルに肘をついて顔をその組んだ手の上に乗せた。そうしてインタビュアーの大佐さんに熱弁を振るうスザク君を眺める。
「本来は航空機や衛星を打ち上げるロケットに用いられる代物です。その姿勢制御用に使われていまして、それをナイトメアに搭載できるサイズにまでダウンサイジング出来たのは特派が初であると聞いております」
「その、より高性能になったジャイロセンサによって機体の角度変化を高精度で把握し、ただちに姿勢制御に反映させるというわけなのか」
なかなかどうして、スザク君の説明は的確で堂に入ったものだ。
あの行政特区日本の成立の後、スザク君は勉強を始めた。10年前の戦争の後、ろくに教育も受けられなかったことをコンプレックスに感じていたらしいスザク君には必要なことだったのだろう。
本来義務教育で学ぶはずだった一般教養と軍人として知っておくべき教養。そして、中でも特に彼が学ぶことを望んだのがナイトメアに関わる技術について。
なぜ彼がナイトメアの技術について特に詳しく学びたいと思ったかは分からない。とりあえずロイドさんが言った「僕を喜ばせようと思ったのかなぁ~」という理由ではないと思うのだけど。
教師役は特派のカーライル兵長やマリーベル医官、それに私。
真面目なスザク君のことだ、真剣に、熱心に、勉強に取り組んでいる。そして教師役の私たちが驚くほど彼の飲み込みは早い。それが私にはとても嬉しい。
最後にこんな気持ちになったのはいつだったろう?

『姉さん、僕さぁ!』

その思い出は私の胸に鈍い痛みを抱かせる。
だけど、最近その痛みが薄らいできているのも確かだ。
「はい。しかし、それを確実に機体のマニューバに反映させるには情報処理能力の高いコンピューターとそれを可能とするOSのサポートも不可欠であります」
「つまり、第七世代ナイトメア・ランスロットの強さとはどれか一部分の強さではなく、総合的な強さであると」
隣に座っているロイドさんが私を肘で突っつく。突っついてヒソヒソと小声で話す。
「どうだい? 教師役として、スザク君の説明の内容は」
「80点……に特別にボーナスを付けて、100点満点をあげましょうか」
「どっちにしても高得点じゃない~。ほんっとに君ってスザク君には甘いねぇ」
「甘いんじゃなくて、優しいって言って欲しいんですけど?」
ロイドさんは「んふふ~」と笑ってそれには答えてくれなかった。

ところで、気にかかっていることがある。
この『大佐さん』、エドワード・ウッド・イェーガー大佐は何者なのだろうってことだ。
軍人だってことはわかる。ロイドさんの縁者ということも聞いた。スザク君に興味津々なのも見ればわかる。
でもそれだけだ。
結局、彼は何者なんだろうという疑問への答えはない。
「素晴らしいな、クルルギ少佐!」
大佐さんは感極まったようにスザク君の肩に手をやって前後に揺さぶった。
「やはり君は優秀な人材だ。そしてその職責に対する真摯な態度、好意に値する」
「は? え?! た、大佐殿?」
「わからないかな? 君と友人になりたいってことさ」
疑問は疑問のまま、よりいっそうこの“大佐さん”への戸惑いは増していく。
そしてわたしは胸の奥で叫んだ。
『どうしてこうなった?』
と。



彼の素性に関する疑問はあっけなく解けた。次の日のことだ。
「先行生産分をラウンズの親衛隊に配備……ですか?」
「そういうことらしいよォ~」
相変わらずロイドさんは事態を把握しているのかいないのか、わからないような態度でニヤニヤとしている。
テスト用ナイトメアフレームのハンガー、その待機室。そこでロイドさんはどっかとイスに身体を預けている──半ば寝ている、ようするにいつも通りにだらけているのだ。
たいしたことのないようにロイドさんは言うのだけれど、わたしとしてはそんな悠然としていられるような話ではない!
「ちょっと待ってくださいよ! ヴィンセントのテストはまだ1/3も残っているんですよ?」
「うん。だからその残りの分を突貫で済ませてこいって話らしいよォ?」
突貫でって……わたしは言葉を失ってしまった。
「どうしてそんなことになっちゃったって言うんです?」
「戦争が近いからじゃない?」
ロイドさんの爆弾発言は珍しい話じゃないけど、これはその中でもとびきりだ。わたしは思わず周りを見回した。
この部屋にわたしたち以外の人はいない。外にもいないようだ。
いてたまるもんか! 聞かれでもしたら一騒動どころの話じゃない!
声を低くしてロイドさんに顔を寄せる。
「……それ、本当なんですか?」
「参謀本部に知り合いがいるんだけどねェ? ヨーロッパがきな臭いらしいよ?」
「EUですか? 確かにEU加盟国家の一部が最近反ブリタニア政権を立てたとは聞きましたけど」
「それだけならいつものことだし、シュナちゃんが外交でどうにかすると思うんだけどね~」
「それだけじゃすまないって?」
「EUの中核、ワイマール共和国の軍部にクーデターの動きがある……って言ったらどうするゥ?」
「────!!」
「ンフフ……こっちはね、参謀本部どころか外務省も掴んでない超々極秘情報だよォ?」
心底絶句した。なんでそんなことを知って……いや、それよりも、
「だからヴィンセントの配備を大きく前倒ししないといけなくなったってことなんですね」
おおあた~りィ~とロイドさんの能天気な声が部屋の中に響く。わたしはそんなロイドさんの口を両手で押し塞いだ。
「こ、声が大きいですよ!」
こんな話そうそうしていい話じゃない……そうだ、それよりもこれはどう解釈するべきだろう?
EUと戦争になる可能性があるから早急に軍の再編成を行う必要に迫られているということなのだろうか。
いや、違う。
今から突貫でヴィンセントのテストを完了させて、それから生産を始めたとしても必要な数をいますぐ揃えることは困難だ。
それにロイドさんは最初になんと言った?
そうだ、ラウンズの親衛隊に配備すると言ったのだ。
「起こるかもしれない戦争にはラウンズの集中投入がありえると?」
ロイドさんは頭を振った。
「なんでもかんでもラウンズ頼りはよくないさ。戦争は数だよセシルくぅん? と言うよりもだねェ……」
手に持ったペンをくるくると廻し、相変わらずダラ~っとリクライニングにチェアに身体を預けながらロイドさんは言った。
「ラウンズと聞いて君は何を思い浮かべる?」
ナイトオブラウンズ──帝国最強の騎士たち。
軍ではなく、国家でもなく、神聖皇帝ただ一人にのみ従う超法規的存在。
そして、生ける伝説だ。
彼ら帝国最強の騎士がいた戦場に敗北はないという言葉は比喩でもなんでもなく、ただの事実にすぎない。
円卓の騎士は単身であろうと、手勢を率いていようと、それがどんなに過酷な戦場であろうと帝国に勝利をもたらす存在であり、そのような存在であり続けた騎士たちだ。
その伝統はいまも無謬であり続けている。
ガチャリと音を立てて、ロイドさんが起き上がる。リクライニングを解除してイスを起こしたようだ。
「そういえばセシル君、エド君が何者かって聞いていたよね」
また話が飛んだ。不意に飛び出た大佐さんの名前に、わたしの思考は妨げられてしまった。
「聞きたい? 彼の素性」
「ラウンズと関わりのある方なんですよね」
大当たり。ロイドさんの表情が“つまんないなぁ”の形で固まる。「なあんだ、わかっちゃったのかぁ」わたしは当たり前ですよと言い返す。
「この話の流れでわからないわけないじゃないですか」
「ふぅ~ん。でもエド君が誰の関係者かってのはわからないでしょ」
それはそうだ……と言いかけて、ハタと気がついたことがある。
現在のナイトオブラウンズで親衛隊──というよりも独自の私設軍と言った方が適当だ──を有する騎士は限られている。
ナイトオブフォーのドロテア・エルンスト卿。ナイトオブテンのルキアーノ・ブラッドリィ卿。
そして──!
「そ、エド君が仕えているのはナイトオブワンのワンちゃんってわけ」
「帝国筆頭騎士をワンちゃん呼ばわりですか?」
わたしは今までになくマジマジとロイドさんの顔を見つめた。直視した。その顔はいつもと同じようににやけていて、いつもと同じロイドさんのままでいる。
「ナイトオブワンのビスマルク・ヴァルトシュタイン卿と言えばナイトメアには否定的な方だと思っていましたけど」
「ざ~んねんでした~! ワンちゃんがナイトメアを基幹とした戦力を持たなかったのは、彼がナイトメアに否定的だからではないんです~」
あ、ちょっとムっときた。
「じゃあなんなんです? 事実今までヴァルトシュタイン卿がナイトメアに興味を示したことはなかったじゃないですか」
「なんでだと思う?」
「わからないから聞いているんです! こんな急にテストの前倒しを命じるからにはそれなりの理由があるんですよね?」
じゃあさ、とロイドさんは言った。

──じゃあさ、直接聞いてみるといいよ。ワンちゃんにね──

それがわたしたちにとって一番長い日──7月10日の前日、7月9日の朝の出来事だ。
わたしたちにとって……いや、スザク君にとって、幸せを感じられる日々の終わりが──それを告げる出来事が始まろうとしていたことを、わたしたちはこの時まだ知らないでいた。



CODE GEASS LOSTCOLORS [手をとりあって] インターミッション 【セシル】part3につづく!


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[2012/05/02 17:29] まとめwoネタ速neo
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Author:HANA子
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夢は
F22ラプターに乗った王子さまか、
JAS39グリペンに乗った皇子さまが
迎えにきてくれること
ついでに言わせてもらえば、
メビウス1はうちの婿

イメージ的にアーニャならしい2×歳

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