前回appleとiPhone4Sと韓国の件で記事をお送りしたのです
が、
V.V.「なんだい? また何かあったのかい?」
いえね、あまりにも感情的で嫌韓にすぎるんじゃないかとご指摘を賜りまして。てへ。
V.V.「ほうほう。……つづけて」
まぁ、ね。わたしもちょっと反省をしました。
確かに感情的に過ぎたんじゃないかと。
ダメですね。何かを伝える時には冷静であれ。客観性をもって伝えること姿勢を旨とせよ……人に物を伝える時の大前提を忘れてしまうなんて。
V.V.「そうだね。それをキチンと出来なければ某新聞のようになってしまうものね」
だから、今回はこれらを反省した上で書き上げた記事をお送りしようと思います。
そう──
冷静に、つとめて冷静に、事実を客観的に伝えられる記事を、ね(ニタァ
V.V.「(あ、こいつ反省してねーや)」
アップル・サムスン裁判について考えてみよう! の巻
さて、今回の記事で取り上げるアップルとサムスンの裁判ってのはこの辺の件です。正確には裁判ではなくて、仮処分の申請なんですけどね。
サムスンが販売禁止の申請を発表 新型iPhone
【ソウル共同】韓国のサムスン電子は5日、米アップルが発表したスマートフォン(多機能携帯電話)の新機種「iPhone(アイフォーン)4S」について、特許の侵害があったとしてフランス・パリとイタリア・ミラノの各裁判所に同日、販売禁止の仮処分申請を行うと発表した。
サムスン電子は、その他の国々でも同様の措置を行う方針。
スマートフォンなどの特許をめぐりアップルが日米韓や欧州などの裁判所に提訴していることへのサムスン側の本格的な反撃開始といえ、両社の対立は一段と激化しそうだ。
47news 2011/10/5
V.V.「前回の記事でも言ってたやつか」
えぇそうです。そんでもって、韓国国内の報道ではこう。
サムスン「アップルの“特許技術の無断使用”は看過できない」
サムスン電子が5日、フランスとイタリアの裁判所に、アップルがこの日発表した新しいスマートフォン「iPhone4S」の販売差し止めを求める仮処分申請をした。サムスン電子が特許戦争の相手アップルの新製品が公開された日に合わせて大攻勢に出たのだ。
アップルがサムスン電子の特許技術を無断に使用する‘無賃乗車’を看過しないという強硬立場を明確にしたことで、両社の特許法廷攻防は新しい局面を迎える見込みだ。サムスンが問題視した技術は3G(第3世代)通信標準に関する特許で、スマートフォンをはじめとする通信機器に欠かせない核心技術。
サムスン電子の関係者は「フランスとイタリアは欧州の代表市場であり、通信標準特許と法制が整っているため訴訟地域に選んだ」とし「追加で検討し、韓国を含めて販売差し止め仮処分申請をする対象国を拡大する方針」と明らかにした。
今年4月に始まった両社間の特許紛争で、サムスンは当初、防御的な姿勢を見せていた。しかしアップルの攻勢で主力製品「ギャラクシータブ」が9月にドイツで販売差し止めとなり、オランダでは今月中旬から「ギャラクシーS」「ギャラクシーS2」などの販売が禁止される状況になったことで、強硬対応方針に転じた。
サムスンの関係者は「サムスンは通信に関するかぎり標準特許を持っているため、アップルがいかなるスマートフォンを出してもサムスンの特許網に引っかかることになっている」とし「オランダの裁判所でもアップルがサムスンの特許を侵害したという事実を暗黙的に認めており、勝訴する自信がある」と述べた。
サムスンは今年8月9日、スペインにある欧州連合(EU)傘下の欧州商標デザイン庁(OHIM)にアップルのデザイン権無効審判を請求したと明らかにした。サムスンがこのデザイン権の無効審決を受ければ、ドイツとオランダでの判決を覆せることになる。
中央日報 2011/10/6
今年の4月から始まったアップルとサムスンの間での訴訟はまさに訴訟合戦の様相を呈してきました。
アップルのCEO──先日お亡くなりになった、故スティーブ・ジョブズ氏が「サムスンはコピーキャットだ」とした発言から始まり、
アップルがデザインと商標権についてサムスンを訴える。
そして今回の新型iPhone発売に際しての仮処分申請……。
V.V.「泥沼?」
の、ようにも見えます。
V.V.「そういえば前回の記事でHANAちゃんは……」
『確かにそうですね。本当に差し止めになったなら、ですけどね』
V.V.「って、やる前から申請が通るはずないって考えてるようだけど、それは本当に間違いないのかい?」
あら、あてくしってば信用がないのですわね?
V.V.「そういうわけじゃないけどさ。裁判とか訴訟って何が起きるかわかんないじゃないか」
確かにそうですね。特に今回は特許に関するものですし、実際何が問題でこの事態になったのかがわからなければ中々判断に困ると言うのは確かです。
と、いうわけで……この件についてのポイントを提示します!
一つ目は……、
販売差し止めの仮処分申請の中身
これに関するサムスンの言い分は
「サムスンは通信技術関連の特許を多数所有している」
「アップルはサムスンが特許を所有している技術にただ乗りしている」
「特に3G通信に関わる4件の特許をアップルは侵害している」
とのことで、先月26日にはオランダにて総てのiPhone及びiPadの販売禁止を求める訴訟を起こしています。
今回のこの件、サムスンは同じ理由でフランスとイタリアでiPhone4Sに関して販売禁止の仮処分申請を行ったというわけです。
これって本当ならアップル勝ち目0?
特許があり、それを侵害しているなら勝ち目は0ないし、薄いと思います。
特許とは知的財産権の一つであり、発明と発明者(もしくはその承継人)の権利を保護することで発明や技術の発展を奨励、産業の発達に寄与することを目的とする制度です。
独自の技術の特許にしろ、買い取った特許にしろ、その特許を所有する権利者の権利は保護されてしかるべきです。
アップルがサムスンの特許を許可なく利用し、その権利を侵害したというのならアップルはペナルティを受けてしかるべきです。
が、
V.V.「しかし、けれど、だが、ところが! という意味の“が”なんだね」
Exactry(その通りでございます)
サムスンが持ってる特許って?
そんでもって、このサムスンが持ってる3G通信に関わる技術特許ってどういうものなんでしょうかね?
調べてみると、スパートフォンやタブレット端末におけるデータ接続や転送速度に関する特許のようなんですね。
サムスンが言う、3G通信技術における基幹的な重要特許であるというのは間違いなさそうです。
それは間違いないみたいなんですが、この特許は国際的な標準技術──スタンダード・エッセンシャルでもあるようなんです。
V.V.「スタンダード・エッセンシャルって?」
本来特許というものは排他的なものなんですが、標準技術の普及が特許によって妨げられてしまっては本末転倒でもあるわけです。
基幹的な技術が特許によって強固に保護されてしまっていて、不可避的に侵害してしまうことになる技術──その特許を必須特許といいます。
この特許を利用するための交渉にかかる時間や莫大なライセンス料のために標準技術の普及が進まないことに対する一つの回答が標準化機関の存在です。
V.V.「標準化機関とな」
必須特許を所有する権利者はその技術を必要とする側に対して絶対的に強い立場にあります。
莫大なライセンス料を要求することも出来るし、その使用を許可しなければ企業活動自体を妨げることも出来るわけですね。
そういった標準技術普及を妨げる特許権の濫用を防止する意味も持つ団体組織なわけです。
そういうと特許権者にはなんの旨みもない制度かと思われるかもしれませんが、そういうわけでもない。
標準化機関に承認を受けるということで、特許権者は権利を持つ技術──規格の普及を自社のみの力に拠らず伸ばせるということで、特許権者にとっても充分利点のあることではあるのです。
とにもかくにもこうして国際標準として承認を受けて普及促進を図れる技術や規格、その特許。
これがスタンダード・エッセンシャル──標準技術です。
さて、この標準技術はその権利者も利用者も保護されます。
利用者がどのように保護されるかというと、
あらゆる利用者に対して公正かつ適切で無差別的な条件下でライセンス提供する義務がある。
というものなのです。
V.V.「……君がなぜサムスンが勝てるわけないって確信してるのかわかったよ」
そう?
V.V.「公正かつ無差別にライセンス提供しなければならない標準技術に関して、勝手に使われた! 特許侵害だ! と叫んでいるわけだろう?」
アップルがライセンスを払わずに勝手に使ってるって可能性は?
V.V.「それこそありえない。申請すれば相手はライセンス提供を拒否することが出来ないのにアップルが“意図的に”“無断で”使う必然性がない」
と、いうわけですよ(はぁと
V.V.「やれやれだね」
9月26日のオランダ・ハーグでの裁判における公聴会ではサムスンがアップルに対して過度なロイヤリティを要求していた事実が公開されました。
サムスン側は対外秘を暴露したって非難してましたけど。
突っ込むべきはそこではなく、過度なロイヤリティを要求していたって方だと思うのですけどね。
10月8日の東亜日報(韓国)の報道記事では、
《前略》
三星(サムスン)はアップルとの特許戦争で、最後に勝利する可能性が高いとみている。
欧州電気通信標準協会(ETSI)のモバイル通信技術標準など、主要国際標準の多くが、三星が提案したものであり、アップルがスマートフォンのモバイル機器を作るうえで、これを避けて通るのは不可能だという。
《後略》
と報じているのですが、おわかりでしょうか?
この欧州電気通信標準協会(ETSI)は前述の“標準化機関”なんですよね。
ここに提供されている国際標準技術ということは……。
さて、今後の動向にも期待……いえ、注視が必要なようです!


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