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青く輝く月の下で ~Under the shining B.L.U.E. moon~

創作発表板をメインの拠点にコードギアス二次創作やらオリジナル駄文、日々の雑記などを書き散らしていますの
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お題:「ネクラな女の子がホンのちょっと心を開く」

お題:「ネクラな女の子がホンのちょっと心を開く」

「……だから、ごめんなさい」
だー。
彼女との話はまた振り出しに戻ってしまい、俺は思わず天を仰いだ。
一時間である。
コンビニでバイトすれば800円が稼げる時間だ。ファミレスで働けば900円。そんでもって──まぁそんなことはいいか。
そんな貴重な時間をかけて話を続けた結果、
「ごめんなさい……」
話が一番最初のところに戻ってしまったとしたら、普通どう思う?
俺の一時間を返してくれ、とは思わないか? 誰だってそう言う。俺だってそう言う。
だけどさすがにソレをそのまんま彼女に言うことは躊躇われた。
なんでかって? そりゃまぁ、俺のモットーが「女の子には優しく」であるからだ。
しかし、こうも手間取るとは思ってはいなかった俺だ。
何をするにも用意周到・準備万端、常に二手先・三手先を見越して行動することを旨とする俺にだって予想が覆ることは、ある。俺だって最初から何でもかんでもわかっているわけじゃないんだ。
どーしたもんかなーと心の中で大きくため息をつく。
正直な所、手詰まりと言って違いない状況だ。
クラスの女子グループが彼女をイジメているのは間違いないはずだ。ところがどっこい、彼女はその事実を一切認めようとしない。
話が核心に近付こうとすると途端に俯いてしまい「ごめんなさい」でシャットアウトなのだ。
彼女は椅子に座ったまま、じっと俯いたまま身じろぎもしない。
俺は席を立って窓際に立った。すぐ外の花壇には蝶が戯れている。すっかり荒れ果ててしまっているけれど。
フム、と俺は改めて彼女を見た。
長い黒髪ストレート。メガネ。前髪に隠れていて表情は見えないが、頬から顎先にかけてのラインはスッキリしていて整った顔立ちを思い出させる。
そうなのだ。素材はいいのだ。むしろ美人と言ってもいい。
それなのに、
「ごめんなさい……」
これだ。
どーしたもんかなー。
俺は再び天を仰いだ。
「どうして……」
不意に彼女が声をあげた。
「貴方はどうして私のことを気にかけてくれるんですか?」
視線は相変わらず床を見つめたままで、俯いたままの彼女の表情を窺い知ることはできない。だけど、その気持ちはわかる。
無償で助けてくれる……なんてことは信じられないんだろう。なんで自分に関わろうとするんだ、何が目的だ、そう問いかけてきているのだ。
俺は手を胸に当てた。
「なんかさ、ここがスースーするんだよな」
「スースー……ですか?」
「そ。俺の知らないところでさ、イジメとか、そーゆーのがまかり通っているってのが──」
「まかり通っているのが?」
「なんかしっくりこない。気に入らない。建て付けの悪い戸が閉まらないような、パズルのピースがきっちりはまらないような──っていうかさ、ここに隙間が開いててスースーしてるような感じがして気に入らないんだ」
「気に入らない、ですか」
あぁ、と俺は答えた。
「まったくもって気に入らない。イライラする。気に入らねェんだ……」
彼女は再び黙り込んでしまった。
おっとちょっと強い口調になっちまったんだろうか? 彼女を威圧するつもりはなかったんだけどなー。
「なぁ、教えてくれないか? 君は酷い目にあっている。そうなんだろう?」
その答えは返ってこない。相変わらずの沈黙だ。
やれやれ、まだまだ時間はかかるのかなー。壁にかけられた時計を見ようと俺は振り返ろうとする。
その時、
「貴方には、関係のない事じゃないですか」
それはさっきまでの「ごめんなさい」よりも少し強い──それでも十分小さなか細い声ではあるが──調子の声だった。
俺は振り返らない。
「関係は──あるさ」
「何の関係があるんですか」
「君が元気でいてくれないとさ、ほらここの花壇が荒れ放題で花が可哀相なんだよな」
俺は顎で外の花壇を差してみせる。
「俺さ、授業中に君がキレイに手入れして育ててくれた花壇を見るのが楽しみだったんだよ。だから──」
俺は彼女に背を向けた。窓枠に手をついてもう一度外の花壇を見つめる。後ろで衣擦れの音がした。
彼女が席を立ったのだろう。
「気にかけてくれるのは、花壇のため……ですか?」
「そういう理由じゃダメかな」
「そんなの……」
彼女の声に湿り気が混じった。俺は振り返らない。
「君はどうしてほしい?」
長い沈黙が部屋に漂った。
俺は待つつもりだ。返事が来るまで待ち続けるつもりだ。なに、一時間がんばったんだから、もう一時間がんばるくらいどうってことはない。
運動部の掛け声がやけに遠くから聞こえてくる。壁掛け時計の秒針のチッチッチッという音の方がずっと大きく聞こえてくる。
「…………ですか」
その声がどんなに小さい声だったとしても、それらの音より小さくはないだろう。俺は確かに聞いた。聞き逃すことなどありえなかった。
《わたしを助けてくれるんですか》というその言葉を聞き逃すことなどありえなかった!
俺は振り向いた。
俺は彼女の瞳を見つめた。
俺は即座に返答した。
これ以外にありえないと準備していた言葉で返答したんだ。
つまり、
「当たり前だろッ」
そのシンプルに過ぎるただ一言を彼女に渡したんだ。
彼女は再び椅子に座った。相変わらず唇を真一文字に噛みしめているけど、雰囲気が少し柔らかくなった気がする。
『まずは最初の扉を開けることは出来た、かな?』
俺も改めて彼女から話を聞くために座るべき椅子を探──そうとして気が付いた。その前にまずするべきことがある事に気が付いたんだ。
俺はポケットを探った。
そう、まずは彼女の頬を伝っては落ちる、幾つもの雫を拭うためのハンカチを差し出す必要がある。
卸したてのハンカチはもちろん用意してあった。問題はない。
そうさ、何をするにも用意周到・準備万端、常に二手先・三手先を見越して事を行う俺にはそれが必要になることなんて、最初から当然当たり前なくらいわかっていたのだから。



その昔、具体的に言うと2年前の8月に創作発表板のリクエストスレに投下したお話を発掘しました。
そういえばこんなお話書いたっけって感じです。すっかり忘れてました(ヲイ
やっぱりなんのかんの言って、熱血な正義漢は世の中に必要と言わざるをえません……よね?
色々と物申したい世の中だからこそ、そういう存在が必要なのではないかと。
せめて、物語の世界にだけでもいて欲しいなと思うHANA子なのです。

このお話、もちろん続きは考えていないのですが、書くとしたらどんなお話になりますかね?
女子イジメグループ相手に男の子が『千切っては投げ』は「それはどうよ?」ですし、そもそもそれじゃなんか捻りがねーですしね。
ふむ。ここはやっぱり『地味子改造計画』でしょうか、乙女ゲー的な意味で!

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[ 2011/07/04 21:44 ] 創作発表板総合 | TB(0) | CM(2)
ちょっと感動してしまいました。いまどきこういうストレートな正義漢って珍しい。応援したくなりました。
解決方法は、うーん。
なんでイジメてるのか(イジメられているのか、ではなく)を探偵のように探っていくというのはどうでしょうか。
イジメられる側に理由はないと思います。たまたまそこを通りかかっただけとか、そんなことでターゲットにされたりするので。
でも、素材を美しく料理するというのもぜひ見てみたいです。
[ 2011/07/07 09:28 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
> ちょっと感動してしまいました。いまどきこういうストレートな正義漢って珍しい。応援したくなりました。
物語だからこそ正義漢とハッピーエンドは必要! だと思うHANA子です。
悲しい結末も寂しい終幕も、そんなものは吹っ飛ばしてやりたい! みたいなw

> 解決方法は、うーん。
> なんでイジメてるのか(イジメられているのか、ではなく)を探偵のように探っていくというのはどうでしょうか。
> イジメられる側に理由はないと思います。たまたまそこを通りかかっただけとか、そんなことでターゲットにされたりするので。
> でも、素材を美しく料理するというのもぜひ見てみたいです。
こういうお話の時、HANA子はどうも極端に走る悪い癖があります。
この話の方向性なら「りょーきできょーきですぷらった」な方には行かないと思いますが……さて
キザでいいかっこしぃの男の子が、やる時はやるとばかりに三面六臂の大活躍! それで大団円!
そういう方向性でやってみたいなー
[ 2011/07/08 22:31 ] [ 編集 ]
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Author:HANA子
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ついでに言わせてもらえば、
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